06.09.09
〜プロローグ〜
自転車通勤で鍛えた足と自分の根性を試すため、岩手県一関市までの401kmという距離を
走り切る事に成功したのが4年前。気を良くした自分は、その後の計画を企てるも実行に移す
タイミングに恵まれず、無理やり出走した去年のライドでは痛恨のリタイヤをしてしまいました。
過去の経験から、すべての条件が整わないと成功は望めないほどの過酷さだけに、今回も最後まで
実行に移せるかどうか悩んでいました。前回はスキーで痛めた靭帯が完治していないままの出走と
5月にしてはありえないほどの低温、さらに風向きの変化をうまく利用できなかったところに原因
があり、苦い思いをしてしまいました。そしてこのほど、ようやくその機会がやってきました。
「人間は一度にどの位の距離を走れるのか…」
「自分の限界はどのくらいなのか…」
「限界の先に何があるのか…(笑)」
さて、結末やいかに…。
悶絶修行秋田編その1
9月2日日曜日、仕事が終わるとあらかじめ旅支度をしておいた自転車を担ぎ、タクシーで
駅まで向かいました。最終の盛岡行き新幹線の出発時刻は20時22分です。
時間に間に合うかどうかギリギリでちょっと不安でした。
事前に準備を進めておきます。4〜5日前から天気予報と風向きを調べ、予想と計画を立てて
いきます。今回の予想は台風の接近に伴い、非常に難しいものになりました。
なんと福島県いわき市あたりを境に茨城側は北風、宮城岩手側は南風という、どちらから
出発しても向かい風という状況にありました。画像左は、タイヤを交換しているところです。
サイズを限界値の25c(通常より太いサイズ)にすることにより、振動によるダメージを
軽減しようという狙いがあります。千葉県佐倉市のタキサイクルさんに調整してもらった自転車
の調子は上々で、本当の性能を試すには絶好のチャンスとなりました。タキさんありがとう!
定番の駅弁で夕食を車内で済ませる事にしました。これが結構楽しみだったりするんですよね〜。
新幹線やまびこのグリーン車内です。お隣の座席は車椅子がセット可能で、かなり余裕があります。
フットレストや枕まで付いていて、最高ですね〜。思い切って良かったです!
新幹線車内には画像左のように、荷物置き場もありますからここを利用する手もありますね。
棚は跳ね上げられるようですから、長いものでも大丈夫ですね。画像右は普通席の最後部です。
ここは自転車がぴったり納まりますから、輪行する際には絶対的にGETですね!
幸いお隣には誰も乗り込んで来なかったので、2席分使ってしまいました。
こういう時は贅沢するものですね(^^) 最前席にはフットレストまで転がっていました(^o^;)
日付が変わりそうになる頃、盛岡駅に着きました。この先は電車がすでにないので今日はここで宿泊です。
一泊¥2800とかなりリーズナブルです。上はサウナで宿泊者が利用すると¥500プラスでOK!
カプセルホテルってこんな感じです。まるで犬になったような気分(^^;
でも、テレビ・ラジオ・時計も付いていて冷暖房完備です!寝心地は悪くないですよ〜。
睡眠4時間で起床。えらくダラシナイ格好で失礼しますが、走り始める時に着てきた普段着は
荷物になるので捨ててしまいます。始発電車で秋田入りします。
今回のスタート地点、田沢湖には6時過ぎに到着する予定です。
画像左→「ドア」とありますが、降りるときはこのボタンを押さないとドアが開きません。
乗るときも外からボタンを押さないと、そのまま行ってしまいます。(^^;寒さ対策ですね!
そして田沢湖駅に到着です。なかなか近代的な建物でビックリしました。
駅員さんに「田沢湖までどの位の距離がありますか?」と聞いたところ、「7kmぐらいです」と
教えてくれた他に、どの道を通ったら良いか事細かに教えてくれました。
そういえば、盛岡の駅員さんも聞いてない事まで親切に教えてくれたんです。この地方の人々は
親切で優しいと聞いた事がありますが、本当ですね!
画像左→自転車はこのような状態で袋に収納されていました。必要のないものは全て処分して
軽量化します。今回はリュックも背負わないように全て自転車に装備しました。500km以上
走るための必要最小限の装備です。天気は上々ですが、予報よりも風が強いのが気になります。
とりあえず田沢湖を拝むことにしました。まだ誰も居ない湖畔は静かで透き通った水が冷たそうでした。
ちなみに田沢湖は、日本でもっとも深い湖です。また大きくて深い湖であるにもかかわらず、
どうやって出来たかが判明していないのです。水深はなんと423.4m(最深部)もあります。
さて、午前7時30分田沢湖を出発するといきなりの峠道に入ります。この山々を越えて岩手側に
向かいます。道はとても綺麗で、車も少なく非常に快適です。良い旅になりそうです。(^^)
そして、トンネルの嵐!でも良く見てください、割と路側帯がしっかりしています。今まで経験した
トンネルの中では快適な方だと思います。また、トンネルが多いということは幾つも山を越えなくて
良いという事になります。秋田県側から岩手県へ入るにはここが一番イージーかもしれません。
トンネル内ではライトをフラッシュさせながら走ります。いよいよ2544mもある仙岩トンネルに
入ります。ここで岩手県側に入る事になります。時刻は8時38分25.3km地点。
トンネル内部はこんな感じです。路側帯もしっかりしていて、死にそうな思いをしなくて済みました。
8時50分雫石あねっこ道の駅に到着。ここでお土産を買い、宅配してもらう事にしました。
軽い食事も済ませましたが、ここでも店員さんに水を頼むと気持ちよく氷入りで用意してくれ、
「う〜ん、いい人ばかりだ」とまたまた感心してしまいました。
お土産に悩んでいる暇もあまりなく、慌てて籠に入れたのはろくでもないもの?ばかり。
秋田名産の「いぶり大根」は店員さんのお勧めです。ここでも気軽に話しかけてくれて、
本当にいい人ばかりです。「この荷物が着くのが早いか、僕が帰るのが早いか競争します^-^」
なんて会話をしながら、送り状を書いていました。と、ところが!自転車をロックしていた
ワイヤーの鍵を落としてしまったのです。サーっと血の気が引いていき、慌てて探しました。
あ!あった!先ほど食事したところに落ちていました(^^; あ〜ビックリ(笑)
今回の自転車はこんな装備が付いています。ハンドルのバーエンドにミラー、これは振り返る動作を
しなくて済むので後続車との距離を把握しやすいです。大型車で歩道に逃げなければならないのか、
乗用車でそのまま走行可能なのかを早めに知る事が出来ました。地図は4号と6号の国道メインなので
あまり詳しくなくてもOKです。そして自転車にはもう無理でしょ?というぐらい収納スペースを
作りました。当然、前回使用のコンパスも持ってきましたよ〜♪
冷やさないようにするため、大事な膝にオイルを塗っておきます。そして風は相変わらず向かい風で
だんだんと強くなっていきます。さらにビル風のように山あいを抜けてきます。結構辛いです。
げげっ!東京まで506kmですか?まだまだ先は長いですね。
見渡す限り「米」かと思ったら、「かすみ草」に見える花は「秋蕎麦の花」らしいです。
このあたりは生産地なんですね。